過労死、精神疾患の労災が増加。2007/05/19(土)
2007年 05月 19日
2007年05月17日付け、朝日新聞ホームページに、「激務で自殺 労災と認定 編集アルバイト、昼夜かけもち」という記事が掲載されました。
記事は、別々の企業の編集アルバイトをしていた女性が自殺した件について労災認定を受けたものです。それぞれの労働時間を合算した労働時間が過重なための「過労自殺」と認めたものです。
┌───────────────────────────────────┐
別々の出版社で編集アルバイトをかけ持ちしていた東京都杉並区の女性(当時26)が自殺したのは過重な労働が原因だったとして、遺族が出した労災の認定請求について、東京労働者災害補償保険審査官は15日付で、女性の死を「過労自殺」と認めた。新宿労働基準監督署長が昨年1月、遺族補償給付金の不支給を決めたため遺族側が審査を求めていた。
決定書などによると、女性は04年10月、以前から働いていた都内の出版社で午前と夜間に勤務。午後は別の出版社で働くようになり、月末に自殺した。同月の労働時間は両社で計307時間に達していた。
女性は当初からの会社を辞めようとしたが社長に慰留され、かけ持ちすることになったという。決定は、かけ持ちが当初の会社の社長に分かり、自殺の前日、社長との話し合いが4時間に及んで問い詰められるなどしたことを重視。「指導の範囲を大きく逸脱する行為」と判断した。長時間の時間外労働による疲労とともに複合的に精神的な影響を与え、自殺に至ったと認定した。
16日会見した代理人の弁護士は「決定は複数の職場の労働時間を合算して判断しており、収入の低さから職場をかけ持ちする労働者の救済にもつながる」と話した。
└───────────────────────────────────┘
-----------------------
また、上記の記事から前日にあたる2007年05月16日には、「うつ病などで労災認定、1.6倍と急増 過労自殺も最多」という記事が掲載されています。
記事は、うつ病など、仕事上の精神障害による労災認定が、06年度は、前年の1.6倍の205人と増加、と伝えています。
┌───────────────────────────────────┐
仕事上のストレスによるうつ病などで精神障害になり、06年度に労災認定を受けた人が、前年度の1.6倍の205人に急増し、過去最多になったことが16日、厚生労働省のまとめで分かった。そのうち「過労自殺」は同1.6倍の66人(うち1人は未遂)で、やはり過去最多。脳・心臓疾患による労災の認定件数も過去最多だった。厚労省は、長時間労働や成果主義の浸透などが主な原因とみており、景気回復の足元で労働者の健康がむしばまれている実態が浮き彫りになった。
精神障害で労災が認められた人は、うつ病関連が106人、神経症やストレス関連障害などが99人。職種別ではシステムエンジニアや医療従事者などの専門技術職が60人で最も多い。年齢別では、働き盛りで負担の集中しやすい30歳代が前年度の39人から2倍以上の83人に急増、全体の4割を占める突出ぶりだ。
請求件数も増加し続け、前年度より24.8%多い819件だった。
過労による脳出血や心筋梗塞(こうそく)などで労災認定された人は2年連続で増加し、前年度に比べ7.6%増の355人だった。過労死は10人減の147人。請求件数は最多で同7.9%増の938件だった。
認定された人の内訳はくも膜下出血など脳の疾患が225人、狭心症などの心臓の疾患が130人。全体の9割にあたる323人が「長期間の過重業務」を理由に認定された。└───────────────────────────────────┘
-----------------------
厚生労働省のホームページに、平成19年5月16日付けで、「脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況(平成18年度)について」が掲載されました。
これは、「平成18年度の「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(「過労死」等事案)の労災補償状況」及び「精神障害等の労災補償状況」」をまとめた文書となっています。
過労死(脳血管疾患および虚血性心疾患等)は以下のようにまとめられています。
┌───────────────────────────────────┐
(1) 請求件数は938件であり、前年度に比べ69件(7.9%)増加。
(2) 支給決定件数は355件であり、前年度に比べ25件(7.6%)増加。
(3) 業種別の支給決定件数は「運輸業」が最も多く、次いで「卸売・小売業」 が多い。
(4) 職種別の支給決定件数は「運輸・通信従事」が最も多い。
(5) 年齢別の支給決定件数は50~59歳が最も多い
└───────────────────────────────────┘
これに対して、精神障害等の労災補償状況は、次のとおりです。
┌───────────────────────────────────┐
(1) 請求件数は819件であり、前年度に比べ163件(24.8%)増加。
(2) 支給決定件数は205件であり、前年度に比べ78件(61.4%)増加。
(3) 業種別の支給決定件数は、「その他の事業」を除くと、「製造業」が最も多い。
(4) 職種別の支給決定件数は「専門技術職」が最も多い。
(5) 年齢別の支給決定件数は30~39歳が最も多い。
└───────────────────────────────────┘
疾患は違うものの、請求件数・支給件数ともに増加しています。
しかし、業種や職種の違いや、年齢の違いが目を引きます。
、業種別をみてみましょう。(その他の業種は除く)
過労死は、①運輸業、②卸売・小売業、③製造業、です。
それに対して、精神障害等では、①製造業、②医療、福祉、③運輸業と卸売 ・ 小売業、となっています。
「医療、福祉」分野では、精神的負担が大きいことが分かります。
また年齢をみてみると、過労死は、「50~59歳」を山にして、年齢が低くなるにつれて、大きく減っているのに対して、精神疾患は、「30~39歳」は他の年齢の倍ほども多いですが、他の年齢(20歳代、40歳代、50歳代)でも、30数件という件数で発生しています。
記事は、別々の企業の編集アルバイトをしていた女性が自殺した件について労災認定を受けたものです。それぞれの労働時間を合算した労働時間が過重なための「過労自殺」と認めたものです。
┌───────────────────────────────────┐
別々の出版社で編集アルバイトをかけ持ちしていた東京都杉並区の女性(当時26)が自殺したのは過重な労働が原因だったとして、遺族が出した労災の認定請求について、東京労働者災害補償保険審査官は15日付で、女性の死を「過労自殺」と認めた。新宿労働基準監督署長が昨年1月、遺族補償給付金の不支給を決めたため遺族側が審査を求めていた。
決定書などによると、女性は04年10月、以前から働いていた都内の出版社で午前と夜間に勤務。午後は別の出版社で働くようになり、月末に自殺した。同月の労働時間は両社で計307時間に達していた。
女性は当初からの会社を辞めようとしたが社長に慰留され、かけ持ちすることになったという。決定は、かけ持ちが当初の会社の社長に分かり、自殺の前日、社長との話し合いが4時間に及んで問い詰められるなどしたことを重視。「指導の範囲を大きく逸脱する行為」と判断した。長時間の時間外労働による疲労とともに複合的に精神的な影響を与え、自殺に至ったと認定した。
16日会見した代理人の弁護士は「決定は複数の職場の労働時間を合算して判断しており、収入の低さから職場をかけ持ちする労働者の救済にもつながる」と話した。
└───────────────────────────────────┘
-----------------------
また、上記の記事から前日にあたる2007年05月16日には、「うつ病などで労災認定、1.6倍と急増 過労自殺も最多」という記事が掲載されています。
記事は、うつ病など、仕事上の精神障害による労災認定が、06年度は、前年の1.6倍の205人と増加、と伝えています。
┌───────────────────────────────────┐
仕事上のストレスによるうつ病などで精神障害になり、06年度に労災認定を受けた人が、前年度の1.6倍の205人に急増し、過去最多になったことが16日、厚生労働省のまとめで分かった。そのうち「過労自殺」は同1.6倍の66人(うち1人は未遂)で、やはり過去最多。脳・心臓疾患による労災の認定件数も過去最多だった。厚労省は、長時間労働や成果主義の浸透などが主な原因とみており、景気回復の足元で労働者の健康がむしばまれている実態が浮き彫りになった。
精神障害で労災が認められた人は、うつ病関連が106人、神経症やストレス関連障害などが99人。職種別ではシステムエンジニアや医療従事者などの専門技術職が60人で最も多い。年齢別では、働き盛りで負担の集中しやすい30歳代が前年度の39人から2倍以上の83人に急増、全体の4割を占める突出ぶりだ。
請求件数も増加し続け、前年度より24.8%多い819件だった。
過労による脳出血や心筋梗塞(こうそく)などで労災認定された人は2年連続で増加し、前年度に比べ7.6%増の355人だった。過労死は10人減の147人。請求件数は最多で同7.9%増の938件だった。
認定された人の内訳はくも膜下出血など脳の疾患が225人、狭心症などの心臓の疾患が130人。全体の9割にあたる323人が「長期間の過重業務」を理由に認定された。└───────────────────────────────────┘
-----------------------
厚生労働省のホームページに、平成19年5月16日付けで、「脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況(平成18年度)について」が掲載されました。
これは、「平成18年度の「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(「過労死」等事案)の労災補償状況」及び「精神障害等の労災補償状況」」をまとめた文書となっています。
過労死(脳血管疾患および虚血性心疾患等)は以下のようにまとめられています。
┌───────────────────────────────────┐
(1) 請求件数は938件であり、前年度に比べ69件(7.9%)増加。
(2) 支給決定件数は355件であり、前年度に比べ25件(7.6%)増加。
(3) 業種別の支給決定件数は「運輸業」が最も多く、次いで「卸売・小売業」 が多い。
(4) 職種別の支給決定件数は「運輸・通信従事」が最も多い。
(5) 年齢別の支給決定件数は50~59歳が最も多い
└───────────────────────────────────┘
これに対して、精神障害等の労災補償状況は、次のとおりです。
┌───────────────────────────────────┐
(1) 請求件数は819件であり、前年度に比べ163件(24.8%)増加。
(2) 支給決定件数は205件であり、前年度に比べ78件(61.4%)増加。
(3) 業種別の支給決定件数は、「その他の事業」を除くと、「製造業」が最も多い。
(4) 職種別の支給決定件数は「専門技術職」が最も多い。
(5) 年齢別の支給決定件数は30~39歳が最も多い。
└───────────────────────────────────┘
疾患は違うものの、請求件数・支給件数ともに増加しています。
しかし、業種や職種の違いや、年齢の違いが目を引きます。
、業種別をみてみましょう。(その他の業種は除く)
過労死は、①運輸業、②卸売・小売業、③製造業、です。
それに対して、精神障害等では、①製造業、②医療、福祉、③運輸業と卸売 ・ 小売業、となっています。
「医療、福祉」分野では、精神的負担が大きいことが分かります。
また年齢をみてみると、過労死は、「50~59歳」を山にして、年齢が低くなるにつれて、大きく減っているのに対して、精神疾患は、「30~39歳」は他の年齢の倍ほども多いですが、他の年齢(20歳代、40歳代、50歳代)でも、30数件という件数で発生しています。
by houkiboshi
| 2007-05-19 22:07
| 労働・雇用問題