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健康と社会保険・社会保障について書いてみました。


by houkiboshi
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バリウムは安全? 高齢者は注意を。2006/07/21(金)

 2006年07月17日付けの朝日新聞ホームページに、「胃がん検診でバリウム飲んだ女性、腸閉塞で死亡 山口」という記事が掲載された。

 記事によると、「山口県岩国市が今月上旬に実施した胃がんの集団検診で、硫酸バリウムを飲んで胃のエックス線撮影を受けた同市内の女性(85)が、検診から3日後に腸閉塞(へいそく)を起こして死亡していたことが16日、分かった。」という。

 また、「女性は3日に受診し、5日朝に腹痛を訴えて病院で受診したところ、バリウムが腸内にとどまり腸閉塞を起こしていることが分かった。翌6日に手術を受けたが、容体が急変し死亡した。」と経過を伝えている。

 「バリウムは消化管の運動機能が弱い高齢者が飲んだ場合、体内での停留で腸閉塞や虫垂炎を引き起こすケースがあるという。」と解説している。

 集団検診はどのような対応をしていたのだろうか。
 記事では、「同市によると、検診の際は受診者にその場で下剤を服用させ、注意を呼び掛ける文書を手渡している。同連合会からは、女性についてもこうした方法を採っており、「検診方法に問題はなかった」との報告を受けているという。」とのことだ。

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 バリウムによる検診は、「胃がん」を発見するために実施されている。
 
 胃がんについては、2006年03月24日付けの朝日新聞ホームページにコラムが掲載されている。

 このコラムでは、検査として、「レントゲンによる胃がん検診は40年以上の歴史を持ち、その有効性が証明されていますが、最近は内視鏡検診や血清ペプシノーゲン値による検診が試みられるようになり、より効率の良い検診が模索されています」と解説している。

 また、2003年03月20日付けの朝日新聞ホームページの記事、「日米のメリットを生かした医療」の中では、胃がんの検査について、「バリウムを飲み、胃を様々な角度から検証するダブル・コントラスト(二重造影法)を取り入れているが、実はこの方法は日本で開発され、放射線専門家は日本に集中している。」と、日本では、この検査方法が進んでいることが解説されている。

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 製薬会社では、「硫酸バリウム製剤投与後の重篤な副作用を防止するために」という文書を医療関係者に配布している。

 この文書は、「硫酸バリウム製剤によるX線造影検査を実施される医療関係者の皆様へ」と対象者を設定している。

 文書の中では、「硫酸バリウム製剤投与後の重篤な副作用として、消化管内に硫酸バリウムが停留することにより、まれに消化管穿孔(消化管に穴が開く)、腸閉塞(消化管
にバリウムが詰まる)が起こり、その結果としてバリウム腹膜炎などの重篤な
症状を引き起こすことが報告されています。」としている。
by houkiboshi | 2006-07-21 23:00 | 健康診断